手紙
慶応二年十二月十五日 木戸孝允あて
坂本龍馬
益御安泰奉
二
大賀
一
候。
然に先日は薩行被
レ
遊候と承り候得ども、長崎ニ於も折あしく御面会申不
レ
上実失敬の
(
(コト)
)
此頃ハ
東廻り
(
(三田尻廻り)
)
ニて御帰国と奉
レ
存候所、存外御手間とり候て昨日御帰りと先刻承り候。
弟此度ハ万
御礼も申上、少
御
聞
(
(耳)
)
ニ達し置度事も在
レ
之候て御尋仕候。
又承り候得バ、早明日御出船と、
定而
(
(さだめて)
)
此頃御多用ニ候べしと奉
レ
存候得バ、事ニより近日山口までも御尋申べきかと奉
レ
存候間、何卒御面
遠
(
(倒)
)
ながら御足お止められ候所を一筆
御印置可
レ
被
レ
遣
(
(おしるしおきつかはさるべき)
)
よふ
奉
レ
希
(
(のぞみたてまつり)
)
候。
頓首。
十五日
追白、弟唯今ハ伊藤
助
大夫
(
(ママ)
)
ニとまり居申候。
再拝
。
坂本龍馬
木圭先生机下
底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社
2003(平成15)年12月10日第1刷発行
2008(平成20)年9月19日第7刷発行
※底本手紙の写真のキャプションに、(宮内庁 木戸家文書)とあります。
※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。
※直筆の手紙の折り返しに合わせた改行は、省いて入力しました。
入力:Yanajin33
校正:Hanren
2010年8月26日作成
2011年6月17日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、
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で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
●表記について
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