春爛漫として
中野鈴子
樹々花つけ
陽炎燃え
地上に満つ たのしき命
命あふれ
咲きさかる
天地のうたげ
君は往く
君は発つ
一つの命
千百の
君が青春
この春爛漫として
君が幸 かなしみ
才能 力 美しさ
ながき はるかなる
それら一切のもの
いまここに投げ打たんとして
底本:「中野鈴子全詩集」フェニックス出版
1980(昭和55)年4月30日初版発行
底本の親本:「中野鈴子全著作集 第一巻」ゆきのした文学会
1964(昭和39)年7月10日発行
初出:「東洋之光 第四巻第六号」
1942(昭和17)年6月
※初出時の表題は「春爛漫」です。
入力:津村田悟
校正:かな とよみ
2025年2月17日作成
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